2025 ANA、JAL、UAマイル改悪の原因と対策

ANAマイル

ANA、JAL、UA(ユナイテッド航空)などの主要航空会社がマイレージプログラムの改悪(特典航空会社必要なマイルの引き上げやエクスカーショニスト・パーク終了)を相次いで実施している背景と対策について、以下に解説します。


目次

改悪の主な原因

  1. 航空業界の収益環境の変化
    • 燃料費高騰や人件費上昇により、航空会社のコスト増が続いています。特に2020年以降のパンデミックで大打撃を受けた後、収益回復のために「顧客からより多くの収益を引き出す」戦略を採用。
    • マイレージ特典座席の削減(有料枠の拡大)や、マイレージの「価値」を意図的に低下させることで、現金収入を優先。
  2. マイレージの過剰発行
    • クレジットカードや提携サービスの拡大でマイレージが大量に供給され、航空会社の負債(未使用マイル)が膨らみました。改悪は「マイルの希薄化」による負担軽減が目的。
  3. 需要の高まりと座席不足
    • 旅行需要の回復により、通常運賃の座席が売れる状況下では、マイレージ特典用の座席を減らす傾向が強まっています。
  4. 競争環境の変化
    • LCC(格安航空会社)の台頭で、伝統的な航空会社は「マイレージ特典」以外の差別化(例:ハイエンドサービス)にリソースを集中。

主な改悪内容の例

  • ANAマイル
    • 2025年6月24日発券分より、ハイシーズン国際線特典の必要マイル数増加(例:ファーストクラス 日本ー北米往復が200,000マイル→300,000マイルに)。
クラスローシーズンレギュラーシーズンハイシーズン改悪前ハイシーズン改悪後
エコノミー40,00050,00055,00072,000
プレエコノミー62,00072,00077,000101,000
ビジネス100,000105,000110,000165,000
ファースト150,000170,000200,000300,000

ハイシーズンには30%(エコノミークラス)、40%(プレエコノミークラス)、50%(ビジネスクラスおよびファーストクラス)のマイルを増加します。

  • 世界一周特典航空券終了。

ANAは、提携航空会社のマイレージ航空券だけでなく、自社航空券の片道交換も可能になります。 これが今回の変更で最も大きく、ポジティブな変化です。

  • JALマイル
    • 2025年6月10日発券分より、ハイシーズン国際線特典の必要マイル数増加(例:ファーストクラス 日本ー北米片道が100,000マイル→140,000マイルに)。
都市エコノミープレミアムエコノミービジネス
ソウル7,50018,000
広州、 大連, 天津, 北京10,00024,000
上海浦東10,00015,00024,000
上海虹橋11,00016,00026,000
台北-東京成田, 大阪, 名古屋9,00024,000
台北-東京羽田11,00026,000
シンガポール13,00025,00040,000
バンコク JL31/3417,50030,00045,000
バンコク-東京ほか路線13,50025,00040,000
バンコク-大阪, 名古屋12,50020,00037,500
シドニー23,00031,00045,000
メルボルン25,00035,00045,000
パリ, ロンドン27,00040,00057,000
フランクフルト, ヘルシンキ23,00038,00055,000
ハワイコナ25,00035,00045,000
ハワイホノルル20,00030,00043,000
北米27,00040,00055,000

基本マイルは、例えば北米-日本路線では、片道エコノミーが25,000から27,000に8%の増加。 プレエコノミーは32,500から40,000へと23%の値上げ。 ビジネスクラスは50,000から55,000へ10%増。 プレエコノミーの増加を除けば、増加幅はすくないです。

都市ローシーズンレギュラーシーズンハイシーズン
上海, 香港36,00043,00050,000
シンガポール, バンコク67,50075,00082,500
シドニー90,00097,500105,000
パリ, ヘルシンキ, ロンドン110,000125,000140,000
ハワイ90,000100,000110,000
北米110,000125,000140,000

北米-日本線はローシーズン中に7万から11万に増加し、最大の増加率は57%。 レギュラーシーズンは85,000から125,000へ47%の増加。 ハイシーズンは110,000から140,000へと40%の増加。 ファーストクラスの引き上げは非常に大きいです。

  • UAマイレージプラス
    • 2025年11月24日以降、UAマイレージプラスのアップグレードがダイナミックになります。
    • 8月21日以降、「エクスカーショニスト・パーク」を終了。
    • 8月21日以降、Y/B/Mクラスを予約したプレミアム会員は即時アップグレード特典を終了。

個人でできる対策

  1. マイルを「貯めすぎない」
    • 改悪は突然発表されるため、必要マイルが貯まったら早期に交換。特に長期保有はリスク。
  2. 柔軟な利用を心がける
    • 閑散期や準繁忙期を選ぶ(必要マイルが少ない場合特典利用)。
    • 近隣空港や代替路線を検討(例:羽田→成田、関空→ソウルなど)。
  3. クレジットカード戦略の見直し
    • 還元率の高いカードに切り替える(例:ANA・JAL提携カード以外でも、汎用ポイント(Pontaポイント、Vポイント)をマイルに変換可能なカードを活用)。
    • 特典付帯保険や空港ラウンジなど、マイル以外のメリットも比較。
  4. ポイントの分散貯蓄
    • 1つのプログラムに依存せず、複数の航空会社やホテルプログラムを併用。
    • 例えば、ANAマイルとJALマイル、アメリカ航空、アラスカマイルを貯め、改悪時に有利な方を選択。
  5. キャンペーンや提携サービスの活用
    • 航空会社のショッピングモール(JALモールなど)やボーナスマイルキャンペーンを積極利用。
  6. 上級会員を目指す
    • エリート会員(プレミアムメンバー)になると、特典枠の優先アクセスや追加割引が適用される場合あり。

今後の見通し

  • 航空会社の収益優先姿勢は続くため、改悪傾向は当面継続する可能性が高い。
  • 一方で、顧客離れを防ぐため「特定の層(高額利用者)」に向けた特典は維持される傾向あり。

重要なのは「マイルは通貨のように価値が変動する」と認識し、戦略的に使うことです。こまめに情報をチェックし、柔軟な対応を心がけましょう。

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